ミネラルウォーター類の原料水の違い
原材料となる水の違いを知る
みなさんがコンビニエンスストアやスーパーなどでミネラルウォーターを購入する際の選ぶポイントは何でしょうか?
ラベルのイメージ、商品のネーミング、テレビCMでよく見かけるもの、あるいは特売セール中のものなど様々だと思いますが、時間のある時は一度、ラベルの表記を確認してみてください。
硬度や軟水か硬水かといった表記と、栄養成分表示としてのエネルギーやたんぱく質、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分の表示は、なんとなく確認したことはあるという方も多いかもしれませんね。
でも、意外に知られていないのが、「原材料名」の表記の意味です。
いわゆるミネラルウォーターと呼ばれるものにも、ナチュラルミネラルウォーター、ナチュラルウォーター、ボトルドウォーターなど様々あることは国産ミネラルウォーターと輸入品との違いのページでご紹介しましたが、その原材料となる水も様々です。
「農林水産省のミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の品質表示ガイドライン」に記載の「主な原水の種類」によると、ミネラルウォーター類の原材料となる水の種類は、下記の表のように7つに分けられています。
原材料の水の種類 内容 浅井戸水 浅井戸からポンプ等により取水した地下水 深井戸水 深井戸からポンプ等により取水した地下水 湧水 不圧(自由面)地下水、被地下水の区分によることなく、自噴している地下水 鉱泉水 自噴する地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、かつ、溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水 温泉水 自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、又は、温泉法第2条に規定される溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水のうち、飲用適のもの 伏流水 上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水 鉱水 ポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水
格安のミネラルウォーターの原材料は伏流水、深井戸水が多い
この分類は、ミネラルウォーターのボトルのラベルに、原材料名:水(○○○)というように○○○の部分に表記されています。
ただ、この分類表記を見ても、ほとんどの方はどれがいい水なのかはわからないでしょう。
同じ「鉱泉水」と表記されていても、硬度や含まれるミネラル成分は採水地によってさまざまですし、味わいも微妙に異なるものです。
伏流水や井戸水は、一般に軟水がほとんどで飲みやすいという特徴があります。
大量生産される大手飲料メーカーのミネラルウォーターや、スーパーや量販店の特売で販売されるミネラルウォーターは、ポンプ等を利用することで採水効率の高い鉱水や深井戸水を原材料とするものが多いようです。
伏流水や浅井戸水は、地層の比較的浅いところで採水されるもので、長い時間をかけて地層をくぐり抜ける鉱泉水や鉱水とは違い、地層によるろ過作用をほとんど期待できません。
そのため、加熱殺菌する必要があり、水に自然に溶け込んでいる酸素や炭酸ガスが蒸散しているものがほとんどです。
選ぶなら鉱泉水・温泉水・鉱水がおすすめ
地下から自然に湧き出している鉱泉水や温泉水、また、ポンプ等でくみあげるものでも鉱水は上記表のとおり、「溶存鉱物質等により特徴付けられる」とあるように、ミネラルが多く含まれています。
また、これらの水は10年、20年という長い年月をかけて地層の中をゆっくりと通ってきているので、ミネラル含有量も変動が少なく安定しています。
雑菌やウィルスはもちろんですが、最近不安に思う方も多い放射性物質も地層を通過する過程で時間をかけて十分にろ過されるので、安心して飲むことができます。
湧水も自然に湧き出している点では鉱泉水、温泉水と同じですが、ミネラルの含有量が少ないので、健康と美容を意識した水選びという視点で考えれば、鉱泉水や温泉水、鉱水と比べると劣ってしまいます。
ここまでお話した内容をふまえていえることは、ウォーターサーバーのボトルの水を選ぶときや、店頭でミネラルウォーター類を選ぶ際には、原材料としてラベルに「鉱泉水」「温泉水」「鉱水」と表記されたもので、非加熱処理のものがベストな水と言えます。