日本の水資源の現状
地球全体の水の98%は海水
地球は「水の惑星」とも呼ばれるように、およそ14億立方キロメートルもの水があり、これは水星や火星、木星など他の惑星にはない大きな特徴です。
この水の大部分は海水で、地球全体の水の約98%を占めています。
残りの2%が淡水ですが、ほとんどは南極や北極の氷で、私たち人間が利用可能な水はわずかに0.8%程度でしかありません。
水の惑星と呼ばれ、地球全体では水は豊富ですが、人間が利用できる水はごくわずかでしかないのです。
水資源賦存量で水資源が豊富かどうかを知る
国や地域で利用可能な水資源の理論上の数量は、下記の数式で表されます。
降水量-(土地表面から蒸発する水分+植物が発散する水分)×国や地域の面積
こうして算出された数値を水資源賦存量と呼びます。
世界全体の水資源の量を100%とすると人口に比べて水資源が少ない地域はアジア、ヨーロッパ、アフリカの3地域です。
特にアジアは世界の人口の約60%が集中していますが、水資源賦存量は36%です。
この水資源賦存量とその地域や国の人口とを考えれば水が豊富な地域なのかどうかがわかります。
つまり、その地域や国の気象条件や人口などによって、利用可能な水資源の量は大きく異なるのです。
日本の水資源の実態と今後
では、日本の水資源賦存量はどうでしょうか。
日本の降水量は、年間1,700ミリ程度と世界平均の2倍程度と比較的多いのですが、一人当たりの水資源賦存量は約3,300トンでこれは世界平均の半分程度でしかありません。
私たちが使える水資源の大元は、日本の国土に降る雨や雪です。
雨や雪は一部は蒸発してしまいますが、地中に浸透したり、河川に流れ込みます。
これらの水が農業、工業、生活用水として利用されます。
日本は一年を通じて雨や雪が降り、降水量は多いのですが、狭い国土に人口も集中しているため、一人が利用できる水の量は世界平均の半分程度です。
また、日本の降水量のトレンドも減少傾向にある点が気になるところです。
国土交通省の「日本の水資源平成24年版」によれば、過去110年の年降水量の傾向が減少傾向にあることがわかります。
1900年の年間降水量は約1,650mm、直近の2010年は1,560mmで、特徴的な点として1965年ごろから雨の少ない年が多くなっていること、また、ここ20年間は少雨と多雨の年での年間降水量の差が大きく開く傾向にあり、近年の異常気象を裏付ける傾向がわかります。
水道の蛇口をひねるだけで水が使える暮らしをしていると、こんなことはなかなか実感がわかないものですが、実は日本は水資源が豊富な国とはいえませんし、今後も少しづつ水資源の量は少なくなっていく傾向にあると考えられます。